アイガモ田のアヒル

 7月に入ってオニヤンマが飛び始め、中旬にはヒグラシの声が聞こえるようになり、蒸し暑い日が続くようになりました。近年、照り方、降り方、暑さが異常な年が多い中、今年はこの辺りでは春から今までのところ、比較的平年並みの天候で推移しているような感覚があります。

 気温が上がってくると、イネは生育スピードがぐんと速くなります。特に、アイガモ農法をしている無農薬田(カモ田と呼んでいます)は生育が遅いのですが、そんなカモ田のイネもようやく安心して見られるような姿になってきました。

 ところで、今年のカモ田の除草部隊はなんと、アイガモではなく“アヒル”だったのです!!

 鳥インフルエンザの影響で、いつもヒナを購入するところからの調達ができず、アイガモ農法をする仲間に紹介してもらった別の業者さんのヒナ。いつもなら、6月も半ばになると黄色い産毛に茶色い毛が混ざってくるのですが、今年はだんだん黄色い産毛が白っぽくなり、真っ白なアヒルになってしまったのでした。(いや、なってしまったわけではなく、最初からアヒルだったのですが……)

例年のアイガモ(7月上旬)

 アイガモとは、アヒルとマガモの掛け合わせだそうです。いくつか系統があるようですが、私たちの認識では、マガモ寄りの系統だと野生の本能が強く、警戒心が強かったり、田んぼの中でも水の深いところが特に好きだったりします。アヒル寄りの系統だと、身体が大きく、警戒心が弱めです。「アヒル寄りのアイガモ」だと思い込んでいたヒナたちは、純粋なアヒルだったのでした。(注:きちんと確認をせず購入し、勘違いしていただけですが)

今年のアヒル(7月11日)

 というわけで、今年のカモ田のアヒル除草隊の皆さん、仕事ぶりは大変よろしく、むしろちょっとイネへの刺激は強すぎるくらい。イネの葉そのものを好んで食べることはないのですが、葉にいる虫を食べる時に葉を傷めたり、泥の中をあまりにもパワフルにつつくものでイネの根まで浮いてきてしまったり……。アイガモたちに比べると集団行動をするという野生の本能が弱いのか、全体的に広がってムラなく除草してくれるのもグー!。一度も田んぼに手での草取りに入ったり、除草機を押しに入ったりせずに済んでいるのは4年ぶりのことです。田植え以降の天気まわりが程よく、田んぼに水をひく池の水が豊富にあったことも大きな要因でした。

 今年はカモ米じゃなく、アヒル米か!?と思わなくもないのですが、農法としてはアイガモ農法、得ている効果は同じ、ということで、ひとまず今年はアイガモ農法と引き続き呼ばせてもらおうと思います。

 さて、もう少しでアヒルたちの田んぼでのお仕事は終わり。田んぼから引き揚げて遅めの中干しに入ります。アヒルくんたち、大変ご苦労さまでした。

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